覚醒を待たない竜

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言うほど駄作か? レギオンメイト編総括

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リアタイ当時視聴を切ってしまって無印VGで唯一全話観てない章だったので、この度つべの無料配信で追いかけました。では感想の方を。

 

あらすじ (以下テレビ東京公式ホームページより引用)

世界中を巻き込んだリンクジョーカーとの死闘から、数日後…。
世界は平和そのもので、穏やかな日常が戻っていた。

しかし櫂トシキは信じられない事態に直面する。
リンクジョーカーの侵攻から世界を救った英雄であるはずの先導アイチがこの世界から突然、姿を消したのだ。
 しかもただ居なくなったのではなく、皆の記憶からアイチの存在自体が消えてしまっていた。
アイチの事を覚えているのはこの世界で櫂トシキ、ただ一人のみ。
愕然とする櫂だったが、自分の恩人であり、先導者であるアイチを探し出すため、たった一人で行動を開始する。   まずは仲間(メイト)の存在が必要と感じた櫂は、アイチにゆかりがある者たちの元を訪れ、ヴァンガードファイトを通して、アイチについての記憶を呼び覚ましていく。
しかしある時、「カトルナイツ」と名乗る謎のファイターたちが現れて、櫂の前に立ちはだかる。
彼らは櫂にアイチを探す事を諦めるよう宣告する。もし諦めなければ地獄の苦しみと、かつてない悲劇が待っていると…。

櫂トシキが先導アイチを探し出すための戦いが今、幕を開ける…!!

 

その後結局アイチが行方をくらませた理由は

3期での最終決戦においてアイチの身体には「シード」と呼ばれるリンクジョーカーの力の残滓のようなものが残っており、それがいつアイチの身体を乗っ取って暴走するか分からないような状態となっていてそれを防ぐためには世界から自身の存在の痕跡を消して自分自身を永遠に封印するしかないと判断したから

ということが分かり、何か内輪揉めで敵が自滅し始めたり、コーリンがCV三森特有のめんどくさい女ムーブをし始めたりした後なんやかんやで封印しないと世界が滅ぶ派代表のアイチくんと封印反対派代表の櫂くんが一騎討ちして櫂くんが勝利、その戦いの中で「ブラスターブレードの力でシードを細切れにすればリンクジョーカーは力を失ってもう暴走しない」という新事実が(唐突に)判明し、メイトとカトルナイツとコーリンと未来のファイター(恐らくGのキャラのことだと思われるがその後一切描写がないので不明)の体内に分割されたシードが宿ったことで事態は収拾、残り2話でエピローグ的な話をやって終わりという形でした。

 

 

良かったところ

・櫂がツケを払わされる形のストーリー展開

非常に悪い言い方ですが個人的にレギオンメイト編最大の意義はこれだと思っています。

このブログを読んでる方なら知ってるとは思いますが11年版アニメヴァンガードの櫂は恐ろしい頻度でやらかしまくってます。11年版ヴァンガードで起こる事件の大半は櫂のせいとかいう言説もあるぐらいです。

あとよく漫画版(オリジンアニメ版)の長所を挙げる時に「櫂が良い奴」って言うオタクがいますけどあれは漫画櫂が良い奴というよりアニメ櫂がとんでもないレベルでやらかしまくってる異常なレベルで面倒くさい男だからです。

その最たるものが3期のリンクジョーカー侵攻に関与したことでしょう。そして今期で彼は自分の過去の罪のせいで一番大切な存在を失いかけ、自分の過去の罪を強く恨む人間と対立していくことになります。

個人的に3期ラストは(周囲が櫂に甘過ぎて)あまり納得が行っていなかったのでこういう形で彼の贖罪とツケ払いを描いてくれたのは良かったと思います。

 

・櫂とアイチの成長

4年続いた11年版の最終章ということもあり、この2人の精神的な成長はかなり濃く描写されていたと思います。他人を寄せ付けなかった櫂はメイトという仲間を率いて戦うようになり、一方で他人の影に隠れがちだったアイチもまたカトルナイツという自らの手で集めた仲間を率いて自身の譲れない物の為に戦いました。また櫂もアイチという大切な存在を失ってしまったからか以前より本音を曝け出すシーンが増えているように感じられました。この2人の主人公の成長が見られるのもこの章を見る大きな意義だと思います。(アイチに関しては後で述べる理由から手放しに褒められない部分もありますが…)

 

・終盤の2ファイトは歴代で見てもかなり良い

櫂VSガイヤールはトリガーが上振れまくってた試合として有名ですが、単なるダブクリゴリ押しとかではなく、デッキに残っているトリガーの枚数やシークメイトによるデッキ内のトリガー比率の上昇などにも言及することで決して2人は「運だけ」では無いということ、そしてそんな2人による非常に拮抗したファイトが描かれていたと思います。

また最後の櫂VSアイチ(ブラスタージョーカー)もレギオン状態を強制的に解かせるブラスタージョーカーを使うアイチに対して、櫂が何度も再ライドしてレギオンを続けることで「頑なに櫂を拒絶し自ら孤独になろうとするアイチと、決して諦めずにアイチを解き放とうとする櫂」という構図をファイトの中で上手く描写していたと思います。

 

・テーマ・描きたいものは一貫していた

この章のテーマはズバリ「辛いことや自分の人生を左右するようなことを一人で抱え込んではいけない」ということだと思います。レギオン「メイト」という表題や神曲と名高い後期OPや後期EDにもこのテーマが顕著に表れています。

櫂もアイチも元々人を頼ることがあまり得意じゃない印象(特に櫂)ですが、この戦いを通してこの欠点を克服できたんじゃないかなと思います。

 

悪かったところ

・設定関連で説明不足が目立つ

これに尽きます。これに関してはリアタイの頃からずっと思ってたんですが、矛盾点が多いというか普通疑問に思うような所を当然のように流すからツッコミ不在のギャグ漫画みたいになってる。

そもそもアイチがどうやって世界中から自分の存在に関する記憶を消したのか結局最後まで謎だったし、封印の技術もどっから出て来たものなのかよく分からないし、どうやって月面に飛んだのかもよく分からないし、月面に城みたいなのが出来てるのも謎だし、アイチはどんな理由があっても暴力を肯定するような人間ではないと思うのでジャッジメントの力を与えたのはアイチではない別の人間なのかと思えばその辺についても触れられないし…

あとアイチのカトルナイツに対する考え方も謎。

身内には事情を話せない+レンとレオンは協力してくれなかったから赤の他人に頼るのは分かるし、作中でも少し言及された「一度も会ったことが無い人間に自分の人生がかかってるような使命を託して大丈夫なのか?」っていうのはアイチの極端なまでの善性によるものってことで一応説明はつくんだけど、やっぱり「あの4人」に拘る理由が今一つ薄いと感じたし、身内巻き込みたくないって割には櫂達が追いかけて来たら「僕が勝ったら次のカトルナイツになってもらう」とか言い出すしよく分からん。

最終的には櫂が勝ったのでこの話はお流れになるわけだけど、この発言の意図だけは本当に謎でした。アイチの性格考えると弱いから現カトルナイツを切ろうとしたってのだけは無さそうですが…

尺の都合で語る余裕が無かっただけで本当はしっかりとした裏設定が存在するのかそれとも本当に何も考えてないだけなのか分かりませんが、設定(特にアイチとカトルナイツ周りの設定)の描写不足・説明不足が目立ちまくっていたのはやはり惜しいなぁと思いました。

 

・ミサキ・カムイ・三和の扱いの悪さ

全く見せ場がなかったわけじゃないですが、カトルナイツ相手に1勝も出来ずに早々に退場して以降は「あの3人も〇〇だと思ってるはず〜」みたいな憶測でしか描写されないのは流石にひどいなと思いました。

メタ的に考えるとキャラが多過ぎて捌き切れなかった+販促期間が切れたので退場させた+裏切り者のセラをカトルナイツに処理させることでカトルナイツの絆をより強く描写したかった辺りの理由があるんでしょうが、「メイトとの絆」をテーマにした章である以上メイトであるこいつらを大事にしなかった点はかなり汚点だったと思います。マジでもうちょっと上手く扱えたと思うんだけどなぁ…

 

コーリンの存在

彼女関連のストーリーだけ周りから浮きまくってたし、3期で綺麗に決着付けられなかった負債をズルズル引き摺ってる感が否めなかったです。

ナオキに説得されたと思ったら次の回では全く考えを改めてなかったり、アイチ助けたいって言ってる割に「アイチ負けないで」とか言い出したり(※アイチが勝ってしまうとシードの力がより増幅してしまうので何の解決にもならない)「アイチを助けたい」っていうより「自分の記憶と大切な人を失うという恐怖心からアイチに依存している」ような印象でした。

自分が元々彼女をあまり好きじゃないのもあるんですが、やってる事も言ってる事も3期終盤の焼き直しレベルでかわいそうアピールすることでしかキャラの格を保てない引き出しの少なさ・コーリンという個のキャラの薄さを嫌でも感じてしまいましたし、最終的にも結局3期と同じ記憶喪失で放流エンド(※ウルトラレアとしての活動は続けているみたいですが)だったし、ここまで引っ張る必要あるのかなぁ…って感じでした。

(あとどうでもいいけどどっかの9人目の舞台少女といいどっかの友○ちゃんのストーカーの国防仮面といいCV三森すずこのクール系ヒロインって突然行方不明になって異空間に幽閉されたり敵に回ったりしないといけない決まりでもあるんですか)

 

・カトルナイツの過去回想が似通ってる

中盤がダレてるように感じた原因。カトルナイツのメンバーのうち裏切ったセラ以外の3人は「悪」というより「もう一つの正義・主人公達とは相容れない正義」というようなキャラクターだったのでこういう回想で過去を掘り下げるのは分かるんですが、3人とも「ヴァンガードのおかげで友達が出来たけどLJに友達をリバースさせられてそれをアイチが救ってアイチを慕うようになった〜」みたいな本当に同じような内容の回想で「これ3回に分ける必要ある?」って感じでした。3人とも同じ施設の出身だったとかで3人の回想を1回に纏めてやったりした方がテンポ良かったんじゃないかなって思います。

 

・長台詞が多くテンポが悪い

本当に長い。ミサキVSラティ(2回目)とかで顕著。台詞が長過ぎてファイトターンが飛びまくってる回とかもありました。口上も無駄に長いだけで覚えにくいものが多く、全体的に台詞回しがイマイチに感じられる部分が多かったです。

 

・敵側の接待プレイっぽいシーンが多い

序盤の執事戦の辺りとか月の宮突入の辺りとか「敵がこれやらなかったらメイト側詰んでたんじゃね?」みたいな部分が目立ちました。(後者は一応セラの計画の一環だったって後で言及されてたけど)

もう少し主人公側が有能に見えるシーンが見たかったっていうのが本音です…

 

総括 

評価…2.8/5

思い出補正もあるでしょうがリアタイしてた時よりは楽しく観られました。正直最近のやつ(18年版〜)より数段面白いです。

上で挙げたように設定がガバガバだったり、一部キャラの扱いが雑だったり粗が多い作品だったのは否めなかったですが「3期で終わっておけばよかったんじゃね?」みたいな蛇足感は無く「アイチと櫂の物語の決着」という点においてはかなり良い物だったんじゃないかなと思います。無印1期〜3期まで観てアイチと櫂の物語をもっと見たい!と思う人にはおすすめです。

(同時に配信してたG1期の方が好きなのは内緒)

 

おわり