覚醒を待たない竜

楓・J・ヌーベルさんの乳がデカすぎて固定資産税払わされてる

アサルトリリィBOUQUET第9話「コスモス」感想

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3話続いた結梨編(?)のクライマックスとなる第9話。梨璃は結梨を守り抜けるのか。

 

あら〜^すじ

疑いがかけられた結梨に、政府から捕獲命令が下された。

その事実を受け入れることが出来ない梨璃は、結梨と共に学院から逃亡。
一柳隊は他の追手よりも先に二人を探し出そうと動き出すが...

その頃百由は、政府の説得に動き出し――。

「逃げなさい梨璃。私が必ず迎えに行くから」

 

政府機関にヒュージ認定され、追われる身となった結梨を守る為に梨璃が結梨と逃亡。その後梨璃と結梨は無事一柳隊に発見・保護され、また百由の理論と説得によって結梨はヒュージではないと結論付けられ一件落着… と思いきやそこをヒュージが襲撃。それを見た結梨が1人でヒュージに特攻し相打ちになって消滅。EDのサビに一瞬あった残されたCHARMの前で泣き崩れる梨璃のカットで〆という回だった。

 

雑感

ここまでの積み重ねがストーリーに活かされてる部分が多くて物語の節目としてはかなり盛り上がる展開だったんだけど、いろいろあっさり過ぎる上に尺の問題なのか1話にベクトルの違うストーリーをぶち込み過ぎてて全体的に見ると評価に困る。

まずは良かった所から。

一柳隊(特に夢結)が梨璃の意志をしっかり汲み取っていて、ちゃんと先輩らしい、頼れる面を見せられていたのはこれまでの集大成感があって良かった。これでもう「3の倍数の回だけアホになる女」とか言われなくなるぞ、良かったな夢結様。

今回梨璃と結梨以外の一柳隊は「敢えて梨璃と結梨を逃がして、百由が政府機関を説得する時間を稼いでもらった上で自分達が梨璃達を他の追っ手よりも先に確保することで2人の処遇の主導権を握る」という作戦の下に動いており、一柳隊側も全くの無策でとりあえず逃げているというわけではなくしっかりと策を弄しながら動いていたのも◎。夢結や梅の台詞で上からの指示ではなく、あくまで自分の意志で考えた上での行動であると言い切ってるのも一柳隊の絆が感じられて良かった。

あと結梨が「夢結は夢結に産まれて幸せだよね」みたいなことを梨璃に言って梨璃が「夢結はずっと美鈴を自分のミスで失った自己嫌悪と後悔の中で生きていた」ということを思い出してしまって答えに詰まる場面も夢結の弱さを知っている梨璃と弱さを誰にも見せずに戦っていた夢結の関係性が感じられて好き。結局どんなに完璧で恵まれたように見える人間でもそこには何かしらの弱さを隠し持っているものなんですよね。

前回の戦技競技会で結梨を活躍させたことによってモブのリリィ達(※本当は名前とか設定とかちゃんとあるんだろうけどここではとりあえずモブと呼んでおく)「結梨はヒュージなんかじゃない、人間だ」と信じる過程に説得力を持たせていたのも良かった。(一瞬映ってた他校の学校の人間は結梨のことどう思ってたんだよっていう疑問はあるが) この辺りは前回・前々回みたいな日常回が無駄になっておらず、今までのストーリーを足掛かりにしていて上手い。

物語を百合ヶ丘という箱庭の中から政府組織・軍隊などが絡んで来る世界全体の問題へと移したり、最後の梨璃の「今朝は髪を切ってあげていたんです」という台詞によって今朝まですぐ側にいた人間が突然いなくなってしまうかもしれないという非情極まりない世界観を演出したりと、今までのキャッキャウフフしてる微妙に緩かった作風から終盤に向けてシリアスな方向へと一気に舵を切る回という意味では良く出来てたと思う。

 

悪かった所としては最初にも書いたけどとにかく全体的にあっさり過ぎる上に色々と唐突。というか最初の結梨が人工リリィだって梨璃にバレる辺りからもう大分唐突だった。

まず政府のお偉いさんが百由1人にあっさり論破されるシーンはスカっとするというより流石に敵側が間抜け過ぎないか…?みたいな疑問が浮かんだ。体細胞がヒトと同じだから危険じゃないっていうのもよく分からなかったし政府側の連中がそれを知らなかったというのも違和感があった。政府の人間を馬鹿に描くことで博識な百由様SUGEEE!!をやりたかったんだろうけど流石にちょっとご都合過ぎると思う。

あと鶴沙がGEHENAで改造された強化リリィだった事に雑に言及してあっさり流しちゃったのもなんかなぁ…って感じ。周りのリアクションも薄かったし何より一応主人公チームに所属してるメインキャラなのにそんな大事な設定あっさり流しちゃっていいの?って思った。一応これから鶴沙の過去とかGEHENAの暗部みたいな要素を話の軸に組み込んで来る可能性がなくはないから様子見だけどこれはかなり悪手だったなぁと思う。というか鶴沙の過去の設定そのままにしてるんなら小説版と同じようにレギオン加入の段階でその話やっておけよ。

結梨と梨璃の逃避行の話とか結梨はヒュージなのか・人間なのか、その処遇をどうするかみたいな話をもうちょい引っ張って今回の話を2〜3話ぐらいまで伸ばした上でのあのラストならもっと面白かったと思うんだけどやっぱり尺不足感が否めなかった。

 

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前にこのアニメに対する評価で「良くも悪くも1つの物語を引っ張りたがらない傾向がある」って書いたことがあるんだけど今回はそれがいつにも増して色濃く出ちゃった感じがある。

これに対して「暗い話をあんまり引っ張らないのはテンポが良くなってカタルシスが感じられやすくなり、むしろ美点なんじゃないか」みたいなコメントをいただいたことがあるんだけど1話完結だった3・6話はともかく流石に今回はもうちょっと引っ張っても良かったんじゃないかなぁ…と思った。主人公が追われる身になって逃避行に出たその回で無事元の仲間のもとに帰り着いて疑いも晴れるって流石に早すぎるでしょ。

何というか元々2話構成だったストーリーを無理矢理1話に纏めたみたいな歪さ・雑さを終始感じる回だった。後半の梨璃が一柳隊と合流してヒュージが出て来て結梨が特攻して消滅するまでのシーンとか展開早すぎて初見でポカーンってなったよ。

 

今週の楓・J・ヌーベルさん

ルラg… 裏切りなんて無かった。

先週のヒキを務めた彼女、どうやら父親に今回の事件について直談判する為にずっと電話をかけ直し続けていたらしい。そして父親に対し「もう人工リリィ計画に携わるのやめーや」 と堂々と宣言。かっこいい。家族だからどうこうではなくあくまで自分が正しいと思った道を進み、間違っていると思えばたとえ相手が家族であってもちゃんと糾弾できる人間の鑑。

楓さんの父親はどうやら「結梨みたいな人工リリィの開発が進めば娘のようにヒュージとの戦いで苦しむ人間が減るんじゃないか」と考えていたらしく、それで今回のGEHENAの研究に乗ってしまったらしい。まぁ楓さんには「それで結局苦しむ人工リリィが増えるんだから意味ないじゃん」とド正論で黙らされてしまったんですが。楓さんも最後に「自分は父親のことも家のことも誇りに思っているしリリィになったことも後悔していない」って付け加えてた辺り、お父さん根っこは優しい人で娘とも仲良かったんでしょうな。娘のことを想う余りちょっとおかしくなってただけだと思う。

父親と話つけた後は何も無かったかのようにいつものテンションで一柳隊に合流、梨璃が見つかったら「愛の逃避行を期待してたのに」と軽口を叩いてた辺りはいつもの楓さんって感じでとても良かった。やっぱ楓さんはこうでなくちゃ。

 

次回は一柳隊が梨璃の髪飾りを探すらしい。あと今回も前回に続いて特殊EDだった。最近イノチ感じてないね。あのラストの後にあのEDは泣く。ズル。

っていうか観直して思ったんだけど結梨ちゃん「死亡した」っていうより「肉体が消滅した」みたいな退場だったからワンチャンどっかで生きてそうなんだよな。