覚醒を待たない竜

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勇者達の物語は終わり、そして「どこまでも続いてく」- 結城友奈は勇者である 大満開の章 総括

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お久しぶりですダイソンです。ゆゆゆ3期完結しましたね。個人的に色々思う所のあった本作ですが2期(勇者の章)の内容を補完しつつ、2期の戦いのその後を見せて締め括るという割と綺麗なオチになっていたと思います。当ブログの感想記事更新が7話で止まってた(というか途中から投げてた)ので今回は全12話の総括という形で感想を書いていこうと思います。

あとこれは結論を先に述べる形になってしまうのですが本作は良い所と悪い所の差が大きく、かなり総合的な評価を下しにくい作品だと思っているのでその辺りも踏まえて語っていきます。結構厳しい評価をしてしまう回もあるかもしれないので苦手な方はご注意を。

それでは。

 

 

1話

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時系列は1期〜2期の間。ほぼ日常回。けいおん!したりゆるキャン△したりしてた。ある意味我々が見たかった物に一番近い回だったのかもしれないですね。サバゲでマジギレする東郷が印象的だった。

ラストの東郷と大赦職員の会話で防人組の登場匂わせて終わり。今思うと「2期までで起こった出来事の別視点からの補完」という本作の方向性を早々に決定付けた回でもありましたね。

ちなみに某Vtuberのチャンネルでこの回を同時視聴する企画があったらしいんだけど東郷の「お前達は豚だ!」発言が引っかかってBANされたらしい。こんな所で罪を重ねるな東郷。

 

2〜4話

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勇者になれなかった少女・楠芽吹を主人公とするくめゆ編がスタート。勇者達以外にも「防人」と呼ばれる勇者の補欠みたいな子達が壁の外の世界の探索や、復興の手伝い等をしていることが分かりましたね。

ただ個人的には本作で最も不満が多い部分。本作で一番重要な部分であるにもかかわらず、本作の尺のカツカツっぷりを一番モロに受けてしまったのがここだと思っています。というか終盤でメブを裏主人公みたいな扱いするんだったらここはもっと尺取って欲しかった。

まずキャラの掘り下げが薄い。芽吹は最初勇者になることに物凄く執着してて夏凛が勇者に選ばれた時には「こんなの認めないぞ!」と大赦職員に食ってかかるような子だったのにいつの間にか態度柔らかくなってるし。他の防人メンバーに関しても記号的な描写ばかりでキャラが掘り下げられてるとは言い難く、芽吹との絆を育む過程も正直言って希薄。しずくの二重人格云々の話の所で戦闘中に急にシズクの方の人格が出て来て、その後特に説明も無く流されるのとかは特に酷かった。何普通に馴染んじゃってるの。あと雀が勇者部と会ったことある旨の回想シーンあったけどあそこもその後のストーリーにあんまり活かされなかったのでう〜ん… って感じ。

芽吹と綾の2人に関しては綾が大赦育ち故にある種危うい考え方を持っているとか終盤の活躍に繋がる伏線がそこそこあったけど、やっぱりこの2人に関しては積み重ねが足りてないまま生贄に選ばれた綾を助けに行く展開が始まってしまった感は否めない。芽吹の矜持とか、芽吹と綾がプラモ買いに行く所とか、足りないスペックを連携や戦略で補う防人組の戦闘シーンとか部分部分で見れば好きなシーンも多かっただけに残念。

あとこの辺の回ロボットアニメっぽい見せ方してるシーンが多かった気がする。船とか使ったりしてたからだろうか。

4話で時系列が勇者の章1話〜2話に移り、生贄にされかけていた東郷が精神世界で銀と話すシーンがあったけどここは良かった。あぁいう見せ方はベタだけど涙腺に来る。銀に友奈達勇者部のことを言及させたのも◎。彼女は死してなお、須美(東郷)や園子のことをすぐ側で見守っていたんでしょうね。あとここの銀の須美や園子に対しての言葉は本作の「人間讃歌」というテーマをこれ以上無いぐらいに分かりやすく表していて良い。

捧火祭は取りやめになり、東郷も綾も助かったけど…? という所で次回へ。この後どうなるか知ってるから4話最後の東郷の台詞はかなり辛いものがある。

 

5〜8話

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園子が家から持ってきた勇者御記を勇者部のメンバーが読むという形で300年前の初代勇者・乃木若葉を主人公としたのわゆ編がスタート。友奈達が御記を読んでる時の時系列は勇者の章3話ラスト〜4話辺りなので一見平和にお正月を楽しんでるように見えますが、友奈は絶賛呪われ中です。しんどいね。

総評としては欠点もあったけど2〜4話に比べればだいぶ綺麗に纏まってた方だと思う。

くめゆに比べれば比較的尺あった方だし、見せるキャラを若葉・高嶋・千景の3人に集中させることで上手くストーリーを回せていたと思う (杏と球子好きな人はあの扱いにキレていいと思うけど)。そもそもこの章ってのわゆ本編のストーリーを描くというより、最終決戦の時に出てくる若葉ードの正体や千景殿誕生のきっかけ、友奈が夢の中で邂逅した高嶋友奈って何者なのかっていうのを原作未見の人にも分かるように説明するっていう側面が強いしね。だから話が若葉・千景・高嶋の3人に集中してたのはある程度仕方ないと思ってる。

あとこの辺りは映像の見せ方がガチで凄まじかった。5話の血噴き出しながら戦う高嶋さんとか、7話の若葉VS千景とか。映像って面だけで言えばこの辺りが3期中で一番良かったと思う。そこに乗っかる声優さんの演技も凄かった。

欠点としてはやはり前半部分ばっさりカットした結果、杏と球子がいないも同然レベルの扱い食らってた所だろうか。回想で掘り下げてくのかと思ったら回想でもそんなに出番無かったし。ただこの辺までやっちゃうと今度は若葉・高嶋・千景の物語が綺麗に纏めにくかっただろうしどうにもならなかった気がするのがもどかしい所…  あと前のブログでも書いたけど若葉の復讐心に関する話に最後までほとんど触れられなかったのも気になったかな。あの辺りの話は乃木若葉ってキャラの成長の軸として凄く重要になってくるし、「未来へ繋ぐ為に戦う」っていう本作のテーマともリンクしてくるししっかり描写して欲しかったってのが本音。最後のバーテックスとの戦いの後の若葉とひなたの会話がカットされてたのも気になった。「御記はこの記述で終わってる」って言ってたあたり、この辺は勇者御記には書かれてなかったか検閲で消されてたって可能性が高いけど。

リアタイした時になんかコレジャナイ感を抱いて当時の感想記事でちょっと触れた千景の「高嶋さんを盗らないでよ」発言は時間が経って許せるようになった気がする。多分あれは本当に若葉に高嶋さんを盗られて嫉妬していたというよりかは、疲弊し切っていた千景に対してたまたま凶行への最後の引き金を引いてしまったのがあれだったってことなのだろう。多分。何気ない発言や行動が凶行への引き金になっちゃうことってあるよね。

8話ラストで友奈ちゃんが夢の中で高嶋さんと出会ってこの章は終わり。どっちの友奈ちゃんも良い子過ぎて辛い…

総じてカットされて残念だった箇所も多かったが、話としてはまぁそれなりに綺麗に纏まってたし粗が気にならないレベルの熱量がある章だったと思う。

あとカットが多かった代わりにアニオリ部分が中々良い味出してた。柔道場での高嶋さんの「助けられなかった」「全部背負うヒーローだから」って台詞とか千景が死んだ後に高嶋さんのマンションの前で3人で泣く所とか。ただ千景の最期とその後は何度見ても可哀想… まぁ結果論だけど千景が西暦で暴走しなかったら風先輩と東郷は勇者システム剥奪されて一生変身できなくされてたか最悪殺されるかしてたんですけどね。郡千景は紛れもなく勇者だったのである。

 

9話

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時系列的には勇者の章第5話と同列。友奈の真意に気付けずに塞ぎ込んでしまった夏凛がかつてのライバルである芽吹との戦いによって決意を新たにする話。自分を敵視してた相手と一騎討ちして和解し、その戦いの中で失意から立ち直るっていうのはよくあるけどアツい。一つの拳は百万の言葉より雄弁ってクロスファイアさんも言ってたしな。友を想って怒る夏凛の叫びも凄く強烈で印象的だった。

ただ話単体としてはめちゃくちゃ良かったんだけどこういう展開やるならやっぱり序盤で芽吹のキャラをもっと掘り下げておくべきだったんじゃないかなぁ… っていうのが正直な感想。くめゆ編の感想でも書いたけど芽吹の成長とか勇者に対するコンプレックスの克服とか仲間と友情を育む過程とかがすっぽり抜けてるから良いシーンでもどうしても「お前そんなキャラだったっけ?」っていうのが先行してしまう所はあった。あとBパートで夏凛が謝罪する所と友奈の神婚云々の話をギャグシーンにしてたのもう〜ん… って思った。ギャグを入れるなとは言わないけどギャグにして良いものと悪いものがあるでしょ。友奈の命がかかってる話なんだから尚更。

それとどうでもいいんだけどラストで安芸先生目の前にいるのに勇者部のみんな堂々と命令無視してて草生えた。まぁ本作のキーになる部分だから仕方ないけど。

 

10話

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勇者の章最終回の裏話的な感じ。本編だと尺が足りなすぎて描写されなかった勇者部のみんなの戦いや防人組の頑張りとかが見られる回。銀と同じ勇者システム使ってる夏凛と銀と仲間だった園子で銀のオマージュやるの好き。千景砲の演出と合いまって亡くなった勇者も友奈達の戦いを助けてくれてるっていうのが伝わって来て泣ける。

一方で芽吹は「神樹様と一つになることで人類救済したい」とか何とか言い出す綾を「生きたいと言えぇ!」(違う)と諭して何とか助け出してました。芽吹が綾助ける時の神官達映すカメラアングルが妙にヌルヌルしてて怖かったんだけど、これは綾を助け出そうとする芽吹の視点であると同時に大赦の得体の知れなさを演出してこちらの恐怖感を煽る演出でもあったんですかね。このシーンも台詞の内容自体は「人間として生きたい」っていう本作のテーマになっている凄く重要な部分を綾や視聴者に伝える凄く良いシーンなんだけどやっぱりこういう展開やるなら芽吹の出番が序盤にもうちょい欲しかった所。彼女を裏主人公扱いするにはいかんせん尺が足りなすぎたと思う。

 

11話

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この回だけ微妙じゃない???

なんか10話と後述の最終話描いたら力尽きたみたいな回だった。映像自体は良かったんだけどね… ほぼ勇者の章最終回の再放送みたいになってたし10話みたいにもうちょい新規カットが欲しかった。

余談なんだけど東郷の「友奈を助けて世界が滅びるならそれで構わない」ってめちゃくちゃ名言だけどめちゃくちゃ怖いよね。というか東郷のキャラ自体が今もだいぶ怖いよ俺は。

 

 

12話(最終回)

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勇者の章最終回後のお話。「これまでの、そしてこれからの物語」を主題にしてた今作だけど最終回にしてようやく「これから」をやってくれた。

神樹様が枯れてからの世界情勢が妙にリアルで生々しいなぁとか思ってしまった。まぁこれぐらい含みのある終わり方する方がご都合主義感も薄れるし、「人間の手でこれから未来を作っていくんだ」っていう感じが出るからいいけどね…

園子は大赦をぶっ潰そうとしてたらしい。大赦から香川県民を守る党の党首にでもなるつもりだったんだろうか。東郷さん程じゃないけどこの子もかなり過激派な所あるよね。まぁ彼女大赦と勇者システムのある意味一番の被害者で一番長い期間それらに巻き込まれてた人間なのでそういう考え方に至るのは仕方ない気がする。でも結局勇者部のみんなのおかげで憑き物落ちたみたいで良かった。

最後は4年後の友奈ちゃんと東郷さんの新婚旅k… じゃなかった、4年後の勇者部が四国の外を旅して調査と再建を続けてる様子を映して〆。長い戦いが終わったんだなぁ… って思うのと同時にこれからもまた違った意味での戦いは続いていくんだなぁと思わせる良い最終回だった。

あと樹ちゃん1期越しに歌手になる夢叶えられて良かったね。

 

総評

何だかんだ終盤はかなり綺麗に纏まってたと思います。最初3〜4話ぐらいの時は大丈夫かこれとか思いながら観てましたけど。のわゆアニメ化は何だかんだアツかったし、元々尺が足りないって言われてた勇者の章の展開を補完してくれてるのも良かったしあのラストはまさに今までの集大成って感じで凄く感動した。

ただこれを「新作」って言われてお出しされるとう〜ん… っていう感じはある。新規カットめちゃくちゃ増やした1〜2期の出来の良い総集編みたいな感じ。ガッツリ既存ファンへのファンサービスに振り切ったみたいな所はありますね。(元々新しい敵が出て来る案もあったらしいけど「それだと2期のラストで神の手から世界が離れた意味が無くなる」って理由でボツになったらしい)

「出来は良いけど既存のシリーズファン向けでやや新しさに欠ける」っていうのが総評ですかね。ちゃんと楽しむなら本編1〜2期の内容は勿論、外伝の内容もある程度は把握しておくことが必須かも。あと散々言われてるけどやっぱりやるエピソードの多さに対して尺が足りない感は否めなかった。くめゆとのわゆ完全版アニメ化して♡

 

最後になりますが一言。

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郡千景ちゃんはいいぞ。

 

おわり

※画像は「結城友奈は勇者である 大満開の章」公式サイト及び公式Twitterアニメイトタイムズ様の 「TVアニメ『結城友奈は勇者である -大満開の章-』郡千景役・鈴木愛奈さんインタビュー|「友奈がいてくれて本当によかったなと思っています」【連載04】」(https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1637561362&pagemode=amp)

より引用。